宮崎西部不動産の飯干です。
土地をご紹介していると、建築を予定されている住宅会社さんから
「測量図はありますか?」「上下水道の引き込みはされていますか?」といった質問をよくいただきます。
お客様が理想の住まいを建てられるかどうかを判断するために、これは当然のやり取りです。

■各社の提案、それぞれの特色
ある日、とある土地をご検討中のお客様が、複数の住宅会社さんから同時にプラン提案を受けていらっしゃいました。
「こちらはデザイン重視」
「あちらはコスト優先」
各社それぞれの強みが表れていて、私も「なるほどな〜」と、昔の住宅営業時代を思い出しながら楽しく拝見していました。
……ところが、最後に加わったある工務店さんの対応が、少し異質だったのです。
■「建てられないですよ?」その一言が生む不安
その工務店さんに、他社のプラン図面を見せたお客様。
すると、こんな言葉が返ってきたそうです。
「建物が境界から50〜60cmしか離れていませんね。
もしここが第一種低層住居専用地域だったら、1m以上離さないといけないので、建てられない可能性もありますよ?」
この言葉を聞いて、お客様は大慌て。
すぐに私のもとへ連絡が入りました。
しかし——
実際には、このエリアに「第一種低層住居専用地域」は存在しません。
用途地域についても、事前にお渡ししていた物件資料に明記しており、面談でもご説明していたはずです。
それでも、「プロの住宅会社がそう言うなら…」と不安になってしまうお気持ちは、よく分かります。
■「不安を与えて優位に立つ」営業は、果たして誠実か?
おそらくその住宅営業マンは、他社との差別化を図りたかったのでしょう。
① 他社とは異なる切り口で話すことで、「自分はできる営業マンだ」と印象づけたかった。
② 他社が用途地域すら確認せずに提案しているかのような印象を与え、自社の優位性を強調しようとした。
私たちから見れば、浅はかさが滲み出る稚拙な手法ですが、
“プロっぽく見せる”ことで自社を優位に立たせたかったのかもしれません。
でも、それは本当に“お客様のため”の姿勢でしょうか?
■「誰よりもお客様のことを考える提案」こそが誠実
間取り、構造、性能、デザイン、コスト……
何を優先するかは、お客様それぞれです。
大切なのは、
お客様の価値観やライフスタイルに耳を傾け、
その想いに寄り添ってカタチにしていくこと。
建築中のフォローや、引き渡し後のサポートまで含めて
「あなたに頼んで本当に良かった」と思っていただけるよう尽力すること。
それこそが、住宅や不動産に関わる者としての“プロとしての矜持”だと私は考えています。
私たち不動産業者の仕事は、単に土地を紹介するだけではありません。
安心して住まいづくりに進んでいただけるように、正確で丁寧な情報をお伝えし、
お客様の「こう暮らしたい」という理想を実現するお手伝いをすること。
それが、私たちの責任であり、
そして胸を張って取り組むべき“誇り”なのです。